被災地で見たこと、想ったこと

昨日、被災地の陸前高田市に行ってきました。
東日本大震災が発生して約1年半、今回初めて訪問することができました。
訪問の目的は、被災地の現状を知っておきたかったからです。
4月に上海を旅行した時も感じたことですが、伝聞ではなく、この目で、この耳で、この足で今の状況を知りたいと思っての訪問です。
今回、御縁があって、現地で被災者支援の活動を行っているNPO法人グローバルヒューマンの炊き出しのお手伝いをさせていただくことができました。

お手伝いの前に、津波に襲われた海岸沿いの地を訪れました。
海辺の建物が手つかずで残されたままです。まるで戦争で破壊されたみたいです。
また、写真を見ていただくと、海水が地上まで来ていることが分かると思います。
地震で地盤沈下が発生し、海水が地上まで上がってくるようになりました。

地元の方曰く、陸地でも「土手の角度が以前より急になった」ところがあるそうです。
また、今まで利用していた「磯」がなくなったりなど、地形の変化が起こっています。
堤防や標識も壊れたままです。

海沿いの建物に、全くの手つかず状態の建物がありました。この状態を意図的に保存する動きもあるとのこと。

ここの景色はほんとにのどかです。こののどかな景色だけ見ると、津波の出来事が信じられなくなります。

海辺を離れて、炊き出しに向かいました。
今回訪れたのは、陸前高田市立長部小学校に作られた仮設団地です。
私は仮設団地で暮らす方の話を「傾聴」してきました。
仮設住宅は、ここ数日、エアコンも効かないくらいの暑さで、「28度設定なんて無理」とのこと。
また、仮設住宅だからなのか、異常気象のせいか、昨年から急に暑くなったとのこと。
「昔はクーラーなんて必要なかったのに…」といったお話も聴けました。

そして、炊き出しでは、たくさんの方に感謝の言葉をいただいて、お手伝いできた甲斐がありました。「プラスのストローク」をたくさんいただきました。
プレハブ住宅に入って1年3か月。1年3か月、そしてあと1年近くはおそらく耐え続ける必要があります。
ほんとにしんどいと思います。
やる気、生きる気力も失われるように感じました。
炊き出しをとっても、食事を取りに来ていただけない方、仮設住宅から出て来られない方もいらっしゃいます。
その方たちの心のケアも課題です。また、仮設団地の高齢化も課題でしょう。
私にできることは、そんな環境の中においても、みんなの「やる気」「気力」を高めていくことかな、と思ったりしています。